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■名古屋弁トキントキン講座
どえりゃーおもしれーでかんわ

 名古屋弁と言うと、年配の人にはタモリのからかった「みゃーみゃー言葉」が思い浮かぶのではないか。しかし、あれは30年以上も前の話で、その批判も若い人には無縁だった。それが図らずも蒸し返されたのが先ごろ放送されたNHKの「ブラタモリ」名古屋編であり、新聞などは過去を振り返りながらニュースとして盛んに流していた。

 当時は名古屋が随分からかわれたものだ。「みゃーみゃー、みゃーみゃー言っている」「言葉が汚くて、聞き取りにくい」「エビフリャーやみそ煮込みうどんなど、おかしなものを食べている」等々。筆者がある会合で上京した折、「名古屋から来た舟橋です」と切り出しただけで笑いが起こったものだ。

 やや遅れて小学館は『ランダムハウス大辞典』を作った。その中の言葉「ジョークタウン」に「冗談の的になる町。東京でいうと名古屋」と解説した。これにはさすがに寛容な名古屋人も怒り、小学館側が次の版で改訂すると平謝りする一幕もあった。

 笑われて萎縮していた名古屋だが、このごろはそんな雰囲気にない。その背景には2005年に愛知万博を成功させ、中部国際空港を開港し、駅前には超高層ビルを林立させた実績と自信がある。2008年に起きたリーマンショックのときも、堅実・倹約とばかにされてきた名古屋的堅実経営が見直され、これも大きな自信に繋がった。

 本書では「やっとかめ」「ずつない」「たいだい」「あだに」「おぞい」「だだくさ」「つうろく」「だいつう」「すたこく」などの名古屋弁をキーワードに、言葉の背後にあるものを歴史的、あるいは地理的・国語的など様々な角度から考察してゆきたい。いま挙げた言葉の中で、あなたはいくつご存知ですか。名古屋人には名古屋弁に自信を持ってもらいたいし、若い人たちにも関心を持ってもらいたいものである。

 タモリに言われるまで「エビフリャー」をそんなに食べていたわけではなかったが、いまは逆にこれを名古屋名物の一つにしてしまった。からかわれた食べ物は「名古屋めし」として大人気で、いまは東京の人たちまでがわざわざ新幹線に乗って食べに来るほど。方言は最も身近な無形文化財ともいえ、いま一度、考え直してみるのも無駄ではあるまい。

 

 


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