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■名古屋の山車祭り

名古屋の山車祭り 「はじめに」より
名古屋タイムズアーカイブス委員会代表 長坂 英生


 愛知県の祭りといえば山車祭りだ。春から秋にかけて今も各地で祭りばやしとともに山車が繰り出し、自慢のからくりを披露する。本書は名古屋の大衆夕刊紙「名古屋タイムズ」が報じた名古屋の山車と祭りの写真集である。

 名古屋タイムズ(名タイ)は終戦翌年の昭和21年5月、愛知県をエリアとする大衆向けの夕刊紙として誕生した。既存の一般紙とはひと味ちがう切り口で、わかりやすい文章と表現で世の中の出来事を伝えた。地域の事件や政治・経済・芸能・スポーツのほか、社会面では地域の祭り・イベントや流行の風俗を取り上げた。平成20年10月、惜しまれながら休刊した。

 さて、『あいち山車まつり図鑑』(令和2年12月発行、あいち山車まつり日本一協議会編集)によると、山車祭りは地域の人びとが災厄防除などを願って行う祭礼行事で、愛知県の山車は室町時代に発生したといわれる。山車は祭りに迎えた神の「依り代」(寄りつくもの)とされる。令和2年12月現在、名古屋市内には15の山車祭りがあり、現存する山車は36を数える。

 本書は名タイの報道写真から戦後の昭和時代を中心に選んだ。残念ながらすべての山車を網羅するものではないが、今はない山車や祭りの貴重な写真もある。また、巻き藁船も山車の一形態として取り上げた。名古屋まつりの山車ぞろえにも多くのページを割いた。

 本書の大きな特徴は、山車祭りとともに当時の名古屋の街の様子や人びとの姿が撮影されていることである。山車と祭りに情熱を燃やす大人たち、楽しげな子どもたち。彼らの生き生きとした表情と懐かしい名古屋の街並みも鑑賞していただければ幸いである。(令和5年1月1日)

 

 


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