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名古屋へ仕事で来る人へ
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名古屋へ転勤することになると、同僚などからおどされる人が多いらしい。「図体が大きい割に田舎みたい」「ケチが多くて仕事がやりづらい」、果ては「夏はゆでダコにされるような暑さ」とか「赤みそがどーのこーの」とか。 そんなオドシの中で一番ずしりとくるのが「名古屋は閉鎖的な土地柄で、なかなか溶け込めない」というもの。これから名古屋暮らしをしようとする人にとって、これはただごとではない。だから緊張した足どりで新幹線を降りることになるが、でも、ご安心あれ。 確かに、表面的にはそんな雰囲気もないではない。が裏を返せば、それだけ人間関係が濃密であるということ。いったん知り合いになれば、とことん付き合ってくれる。ビジネスライクな暮らしや自己主張し続けなければ埋没してしまいそうな生き方が果たして本当に快適と言えるかどうか。 最初は身構えて来た人でも、名古屋で暮らしてみると、その魅力に取り付かれてしまう。大都会でありながら、どこかのんびりしている。人間関係ができれば、むしろ商売はやりやすい。みそ煮込みうどんやみそカツも、食べてみればうまい。同僚などのオドシがいかにいい加減なものだったかを実感することになる。 そんな素晴らしい名古屋暮らしを楽しむためにも、職場や地域に溶け込む努力を忘れないでほしい。よくするのも悪くするのも、結局は本人の心がけ次第だ。たたけよ、さらば開かれん、である。 もっと手っ取り早くという向きには趣味などの会に参加されることをお勧めしたい。山登りや街道散歩などを楽しむサークルはいっぱいあるし、地元の歴史や文化などを学ぶ勉強会も多い。また、サラリーマンの間では異業種交流会も盛んに行われていたりする。新聞の短信欄にはそんなグループの行事予定やメンバー募集記事も載っているので、参考にされるといい。 名古屋はしばしば「転勤したくない街」とか「住みたくない街」の筆頭にあげられたりする。が、それは来たこともない人が頭の中に描いた妄想から言っているに過ぎない。一度でも訪れた人は「名古屋、恐るべし」と驚き、暮らした人は「こんないいところは他にない」と絶賛したりする。 が、筆者の知っている限りではただ一人、これとはまったく逆の転勤者がいた。その人は「名古屋弁は汚いし、名古屋人根性にもついていけない」とぼやいてばかりいた。東京へ戻れることになって喜んで帰っていったが、自分の周りに壁を造ってしまったのでは、見えるものまでが見えなくなってしまう。 どうかこの二の舞いだけは演じないでほしい。名古屋はあらゆる面で奥が深い。好奇心を旺盛にして、名古屋暮らしを大いにエンジョイしてもらいたいものである。 [手前味噌]拙著「100%名古屋人」(正・続・新)、「名古屋人の反省」、「名古屋弁重要単語熟語集」(パート1〜5)で名古屋のオベンキョーを。 |
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