“幻の名匠”野村作十郎を追いかけ、その成果を『天空の龍』(上下)にまとめることができた。作十郎はどんな人物だったのか、なぜ知られずに来たのか、どんな仕事をしていたのか。今年は作十郎生誕200年目に当たっている。取材や執筆の秘話も交えながら、作十郎の実像に迫ってみたい。
古くは製塩に深くかかわり、時代が下っては木簡などにもその名を残した渡来人ワニ氏。大和政権下で天皇家の外戚として栄え、平安時代になると全国各地へ分散した。このワニ氏を通して見る地元尾張地方のロマンをふれる古代史とは
【話者】加藤新一郎さん名古屋市の北区郷土史研究会会長。歴史好きが高じて各地に足を運び、文献をあさるなど忙しい毎日。同研究会では毎月1回、古文書の勉強会とゲストを招いての講演会も開かれており、加藤さんはその中心人物として活躍されている。
尾張はからくり人形のある山車の宝庫。豪華な山車は春秋の祭りの華となり、多くの人たちを引き付けている。各地にある山車の歴史や現状、果たしてきた役割、あるいは、それにまつわる様々なエピソードなどを披露してもらう。
【話者】横井 誠さん愛知山車祭り研究会世話人。本職は庭師だが、山車や人形の修理なども手がけ、こちらが本職化しつつあるほど。また、愛知工業大学では山車とのかかわりから“ものづくり”について教鞭を振るっている。著書に『津島の山車祭』。
あまりにもうまくいった奇襲で、いろいろな説や疑問に包まれた桶狭間の合戦。その実態はどのようなものだったのか。6月に有志で信長の駆け抜けた道をマイクロバスで清須から桶狭間まで伝ったが、そのときに出された質問などにも答えながら、桶狭間合戦の真相に迫ってみたい。
第一級の史料とされる『信長公記』だが、その首巻は著者太田牛一の覚え書きとか備忘録といったものだ。そこには牛一独特の隠し文や故意に事実をねじ曲げたり、書かなかったことなどの「作為」が見られる。尾畑太三著『証義・桶狭間の戦い』に教えられながら読み解くその真意とは。
知っているようで意外に知らないでいる名古屋弁。その成立と背景、階層別による言葉の違い、全国的に見た名古屋弁の位置付けなど、名古屋弁の歴史や特徴などについて考えてみたい。参加者には特製「名古屋弁手ぬぐい」1枚の大盤振る舞い(!?)あり。
武蔵が名古屋で3年間も過ごしていたという事実は研究家の間でもあまり知られていない。名古屋で何を考え、何をしていたのか。そして、尾張藩指南役の柳生家との関係はどうだったのか。円明流繁盛の地とも言える名古屋で、武蔵の足跡とその後の弟子たちの動きを追う。
昨年、懇話会の仲間とともに歩いた様子が『【探索】名古屋西部の鎌倉街道〈付〉柳街道』と題する本になった。これを機会に希望する購読者も交えて公開で歩く。金山駅に8時集合。資料は作らないので本を持参のこと。雨天の場合は24日、それも雨なら中止に。
今年こそいい年にしたい、もう少しおこづかいがほしい――1年の初めはちょっと趣を変え、株でひともうけ(?)するためのウマイ話を。だれにでもできるが、なかなか思い通りにできない人、必聴かも?
【話者】小鹿 彰さんタウン誌の発行からマンガ同人誌専門の印刷所、そしていまは株価と戦うデイトレーダー。不況下でも確実にもうけるための小鹿流の考え方と仕組みづくりとは。あなたも新年にふさわしい初夢をこの場で。
名古屋を代表する百貨店、松坂屋。いまはJフロントリテイリングとなったが、伊藤蘭丸による創業以来、多彩な歴史に彩られてきた。社史編纂にも携われた菊池さんによる、名古屋松坂屋の歴史あれこれ。
【話者】菊池満雄さん社員当時『松坂屋百年史』などの編纂に携わる。定年後は松坂屋史料館に席を置き、資料の整理・収集にも努力されている。同社の歴史にお詳しく、有益な話が聞けるものと期待される。
名古屋城下と佐屋路の烏森とを結んだ「柳街道」別名「百曲街道」。それにはどんな歴史があり、どこを通っていたのか。翌24日には自分の目と足で確かめるため、希望者による現地での散策会を開催の予定(無料)。
【話者】舟橋武志店主が進行役を務めさせてもらうが、出席する方お一人お一人が主役である。この街道に関する資料やエピソード、その他があれば、この席でご披露下さい。散策会当日が雨天の場合、24日に延期。
明治初期、奇抜なアイデアで次々と事業を起こした“山才”こと山田才吉。電力、ガスから新聞などに至るまで、その源流をたどると彼に行き着くと言ってもいいほど。新時代を駆け抜けた異色の実業家とは――。
【話者】藤澤 弘さん元中日新聞とその関連会社役員。中部ペンクラブ会員。名古屋タイムズで才吉を連載、彼を通して黎明期の名古屋の産業経済発達史を描く。著書に『春姫さま』『中部を翔ける』などがある。
幕末から明治にかけて活躍した東濃出身の“名匠”作十郎。その作品の多くは立川流一門の中に埋もれてしまい、彼の名が表に出てくることはほとんどない。どんな人物で、どこに残されているのか。
【話者】安藤房子さん作十郎は安藤さんの先祖に当たる。親から聞かされた話により、作十郎を訪ね歩く旅が始まった。野村作十郎調査会主宰。店主・舟橋とのコンビで、その実態を明らかにしてゆく。
尾張四観音の一つ、荒子観音で発見された1024体にものぼる円空の千体仏。この数字に衝撃を受けた技術者が独特の視点で円空と円空仏の謎に挑んだ。円空とはどんな人物だったのか、何のために彫り続けたのか。
【話者】伊藤治雄さん大学卒業後、中部電力に入社。原発関係一筋に歩み、99年に定年退職。その後は歴史に興味を持ち、技術者の視点で読み解いた『魏志倭人伝謎解き旅』『日向から大和へ』『円空の隠し文』などがある。