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名古屋弁講座 その22

「ほりゃほーだわ」

軽薄そうにみえても相手に自信を与える言葉

 「まさにあなたのおっしゃる通り」「なるほど、ご説ごもっとも」。相手の言い分に大賛成といったとき、名古屋人はこの言葉をしばしば口にする。「それはそうですよ」というわけだ。

 これは「そ」が「ほ」になまって、まろやかになっただけ。実に簡単な名古屋弁だが、それでいていかにも名古屋弁らしい。ぼくの友人などは冗談に「名古屋へ来て君に『ほりゃほーだわ』と言ってもらえると、自分の意見にすごく自信が持てる」と言ってからかってくる。

 少年時代に「あのよう」を乱発したことからニックネームにされてしまったという“あのよー松井”氏は「名古屋弁は歌を歌うようで極めて音楽的」とおっしゃっておられる。「ほりゃほーだわ」も上がったり下がったりしていて、「歌を歌う」ような感じがよく出でいる。名古屋弁には独特のイントネーションがあり、相づち一つにも音楽的な響きがあったりする。

 往々にして「さ」行は「は」行に変わりやすい。敬称の「さん」は「はん」になり「おばさん」は「おばはん」、「山本さん」は「山本はん」になる(特に大阪弁がそう)。「し」にしても「ひ」となり「しち(質)」は「ひち」、「しちごさん(七五三)」は「ひちごさん」だ。名古屋人ははっきり「し」と言えず、「七里の渡し」「七軒町」「七転八倒」もみんな「ひ」である。

 これらと同様、「そ」も「ほ」になりやすい。「そ」が「ほ」に変わる相づち言葉は他にもある。「ほーかね」や「ほーだろか」がそれだ。

 「ほーかね」は「そうかね」のなまったものだが、同じ相づちを打つにしても「ほりゃほーだわ」よりも感情移入が少ない。「そうだろうか」から来た「ほーだろか」はこれらとは逆に相手の言った言葉に疑問を持っており、暗に「果たしてそうでしょうか、いや、決してそんなことはない」と言わんとしている。名古屋人にとってこの「ほーかね」「ほーだろか」「ほりゃほーだわ」は会話の枕詞として大変重宝がられている。

 今回のテーマである「ほりゃほーだわ」をよく口にする有名人がいる。東海ラジオの「聞いてみやーち」に出演している宮地祐紀生氏と神野三枝嬢のコンビがそれ。2人の掛け合いは「ほりゃほーだわ」を使って絶妙に進められていく。午後1時になるとあわてて東海ラジオに合わせるのがくせになってしまっている。

 一度、一回の番組の中で何度口にするかを数えてみたことがある。が、2人の面白い話に引きずり込まれてしまい、数えるのをころっと忘れてしまっていた。それでも10回以上は確認しており、いかに多いかが改めて分かった。

 仕事柄、自動車に乗ることも多く、ラジオはよく聞く。テレビよりもラジオの方が好きだ。午前中はCBCラジオのつぼいノリオ氏の「聞けば聞くほど」、昼からは東海ラジオの「聞いてみやーち」、そして夜はNHKの「ラジオ深夜便」とくる。こうしてみると忙しい生活の中にも、いつもラジオがあるといった感じだ。

 ところで、「ほりゃほーだわ」はポピュラーな名古屋弁ではあるが、よそから来た人が「歌を歌う」ように使いこなすのはなかなか難しい。いや、それよりも前にちょっと気恥ずかしさが先立ってしまうかも。やはり名古屋に生まれ、名古屋で育った人にして初めて使うことができる、この地方ならではのフレーズなのかもしれない。

 


 

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