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名古屋弁講座 その11

「なにい」

 

「なんですか」なんて、言っとれすか」

 こんなもんが名古屋弁か、とおしかりを受けるかもしれない。が、よく観察していると「なにい」は名古屋人がよく使っており、立派な名古屋弁とみてよい。「何ですか」という意味だが、尻上がりに「なにい」と「い」を強調すると、たった3文字(本当は2文字)で疑問文に早変わりしてしまう。

 これは確かに便利だ。言葉の節約にもなる。「出すのは舌でもいや」という、ケチな名古屋人にはうってつけ?

 「なにい、おごってまえると思ってつぃーてきたに、わりかん」  「なにい、私がやらなかんの」

 「なにい」はこんな調子で使われており、考えてみれば短い言葉の割に、その意味するところはキョーレツだ。ノドの筋を引きつらせるようにして「なにい」と言われると、気の弱い人はまともに反論できなくなってしまう。それくらいの威力がある。

 本来、漢字で書けば「何」で「い」なんてない。「あなた、なーに」とか「なになに」と言っているのと同じ言葉なのだ。それが尻上がりにしてありもしない「い」を強調すると、怒ったような疑問文に変身してしまうから不思議だ。

 この言葉はヤクザな人もよく使う。が、同じ「なにい」でも、こちらはすごみがある。これが出たら疑問文などといった生やさしいものではなく、本当に怒っている証拠だから、謝るか早いうちに逃げた方がよい。

 「なにい」に限らず、名古屋弁では語尾を上げると簡単に疑問文化する。例えば「行きますか」は「行くう」、「やりますか」は「やるう」と言えばよい。ともに「う」を強調するだけでよく、この手の表現は日常会話の中でもよく使われている。

 そういえば、先ほど例にあげた「わりかん」も後部を尻上がりにすれば「わりかんですか」という疑問文になる。名古屋人の好きな「いかん」も尻上がりにすると「いかんですか」の意味に変わる。これを使うと「いかん」どころか「いいですよ」との返事がもらえるかもしれない。


 「いいい」

 字で書いたのでは何が言いたいのか、さっぱり分からない。ある先輩が言っていたが、来る人来る人が顔をのぞき込み、「いいい」と話し掛けてきたそうだ。やっぱり名古屋人なんだね、みんな。

 何を隠そう、「いいい」は「胃の調子はどうですか」という意味。そのとき彼は胃の手術を受けて入院している最中だった。なるほど、親しい間柄だったら、ついつい口から出てしまう言葉なのかもしれない。

 名古屋弁はよその人たちから「きつい」と指摘されることがある。その一つとして、こんなにも省略した、ぶっきらぼうな言葉があるからかも。仲間うちで使う分には便利なんだけどね。

 


 

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