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こんなもんかよ、ブログの現実

【第四話】

 

ブログで「日刊・本屋のオッサン通信」

今年の5月からブログをやり始めた。ここでも題して「本屋のオッサン通信」としている。毎日書くことを原則としているが、当初はなかなか思い通りにはいかなかった。

ブログはホームページとは違い、簡単にアップできるのがいい。ホームページは作るのに難しそうで覚える気力も湧いてこないが、これなら原稿さえ書ければもうできたも同然である。はやるのが分かるような気がする。

おかげでブログの全盛期。遅ればせながら始めたわけだが、一般の人と同じように、おおむね日記みたいなものだ。それくらいのものでないと、毎日は書き切れないからでもある。

日記はどうしても自分本位のものとなりやすい。それが読者を引き付けるにはネームパリューがあったり中味がしっかりしているなど、相当アピールするものがないといけない。独りよがりに陥るのを避け、読み手の立場を汲んで書かなくてはならないというわけだ。

多くのブログは出版で言えば自費出版みたいなもの。売ることを考える商業出版的な目で作られているものは少ない。だから、自分の少ない経験からではあるが、普通にやっていたのではそんなに読者が付くわけではない。

だいたいのブログには無料でアクセス解析の機能が付いている。その日のアクセス数や時間帯別、あるいはページ別など、どれくらいの人に読まれたかがこれによって把握できる。

個人的にやっている人で、1日に50件以上のケースはどれぐらいあるのだろうか。一生懸命書いた割にはそんなに読まれていないのが現実のようである。いくらタダだからとは言っても、それに付き合うほどの暇はないのだ。

ホームページも見られない。メルマガも部数は伸びない。ブログならとすがり付いても、面白くなければこれとてなかなか読まれない。

何しろ、インターネットは広大な情報の海である。その中から選ばれるには相当しっかりした内容のものか、ここでもまた本能をくすぐるようなアダルト関係のものとかになってしまう。ブログだって決して甘くはない。

ぼくが始めたころは1日に20件ほどだった。3か月後くらいに100を超し、多い日には200を超すときもあった。日によって極端に増減することもあるが、大体は100前後くらいの数字だ。少ない日の翌日にはそれ相当の分が増えるところを見ると、このような程度かと推察できる。

そうしたことを考えれば、毎日見るというのではなく、2・3日おきくらいに見るということだろうか。ぼくも二つのブログの読者だが、やはり毎日というわけではない。こうしたことから少ない1日のアクセス数でも、その2・3倍――100あれば2・300人の読者がいるということなのかもしれない。

ブログのいいところは検索サイトに早く登録されることだ。しかも、どうも上位に入るケースが多い。これにはPRなどの面で優位にあり、やはりやってみるだけの価値はあると言えるかもしれない。

やり始めて半年ほどが経つ。ブログを書き込むのが生活の一部に組み入れられてきた。今日は何を書こうかと考えるのは脳みその適度なマッサージにもなる。

毎日書いてこそ「日記」だ。これが2日おきや3日おきでは「日記」ではなく、「二日お記」「三日お記」とでも呼ばなくなはならない。だから、当方のブログは「日刊・本屋のオッサン通信」と「日刊」が付いている。

 

変身「日刊・店終い秒読み雑記」

6月末に閉店を決意した。店舗の解約は半年前に申し出る契約になっている。切りのいい年内でやめようとなると、これがぎりぎりの決断だった。

だらだら17年間もやっていたことになる。店の売り上げは減るばかりで、時には家賃以下の月も出てくるようになってきていた。この間に支払った家賃や共益費などを計算したら、もうこれ以上続ける意欲がなくなってしまった。

閉店後は無店舗のインターネット書店にするつもりでいる。幸い、こちらはわずかながらではあるが、増えてきている。それには多少メルマガやブログも貢献しているのかもしれない。

1人でやっているような古書店なら、1日1万円も売り上げがあったら「御」の字だろう。もちろん、家賃も不要の状態で、だ。なかなかそれすらも行かないのが現実だが、これからは勘考してその辺にまで持っていきたい。

閉店を決意し、この8月から「日刊・店終い秒読み雑記」に改めた。年末の引っ越しを終えるまではこのタイトルで行くつもりだ。それまでは身辺雑記とも言うべきとりとめのないことどもを書いてきたが、これによってテーマが絞られて緊迫感・緊張感(?)が出てきた。

いま落城に備え、当方のゴタゴタぶりやらお客さんの反応など、閉店に向けての話題を盛り込むようにしている。秋風が吹き、いつしか木枯らしに変?閨A年の瀬とともに消えていく。こんなことまで計算していたわけではないが、店終いには実にいい雰囲気で、これが春や夏だったらしっくりしなかったかもしれない。

いまのは内容的に見ても的が絞られ、以前のものよりも面白いように思う。が、予想に反してだんだんアクセスが減ってきており、テーマを絞るというのはそれだけ読者を限定することになるのかと嘆いている。それとも敗走する兵になど、もう付き合ってなどいられないということか。

お客さんの中には「トーサン日記、読んどるよ」とからかってくる人もいる。そんな人には「倒産でなく閉店ですよ」と弁解しながらも、読んでもらっていることに感謝している。

減ってきた1日のアクセス数を以前の100には戻したい。読んでくれている人は末期の水はオレが取ってやるとの心遣いからだろうか。それに応えるように立派に、元気に死んで行かなくてはならない。

年末が近付くにつれ、ブログはいよいよ緊迫してきた。11月いっぱいで営業をやめ、12月を整理や引っ越しに当てる予定でいる。どうも引っ越し経験のある人に聞いたところ100万円くらいはかかるらしく、この騒動は他人にはかなり面白いものになるのではないか。

そんな実況中継まがいのことを書けるのも、簡単にできるブログならばこそだ。ブログはだれでもできる。ブログならだれもが情報の発信者になれる。

※こんなドタバタ騒ぎを経て、現在の新幹線高架下へ移りました。毎日とはいきませんが、ときどき思ったことやその日の出来事などを書き込んでおります。のぞいてみてやって下さい。

 

 

【第四話】こんなもんかよ、ブログの現実
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