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白内障手術はこわくない
体験レポート − 私の場合は − その2

●9月9日 白内障くらいで入院が必要?

 「白内障の手術を軽く見てはいけませんよ。デリケートな眼球にキズをつけるわけですからねえ......」

 お客様がブログを読んでおられ、こんなことをおっしゃった。知り合いの人は大事をとって3日間、入院されたとか。目をばい菌などに犯されないようにとのことからだ。

 以前に紹介した方は5日間入院したと言っておられた。手術後に転んだりしては......と医者から勧められたそうだ。こちらは日帰りの手術で、その日から仕事をしなければならぬ。

 確かに目の手術はおそがい。目か歯かどちらか一つを選べと言われたら、まだ歯の方がましだ。決して安易な手術などとは思っていない。

 歯と言えば、縄文人には抜歯の風習があった。歯を抜く痛さに耐えてこそ成人したと認められ、彼らの間でこれが一種の通過儀礼となっていた。現代は白内障の手術を受けて、初めて真の老人に仲間入りできる!?

 老人をバカにしてはいけない。本来の老人とは年を経て徳の高い人に与えられる"敬称"なのだ。老人性白内障を治してこそ、立派な年寄りになれるのである。

 でも、本当に日帰りでいいのか。そして、その日から普段通りに仕事はできるのか。ちょっと気になる話ではあった。

●9月10日 血圧下げる"妙薬"、さて効果のほどは

 もともと血圧は高かった。手術をひかえて、何とかしたい。しかし、医者へ行くほどのことでもあるまい。

 そんなときに出会ったのがサントリーの広告だった。同社の売り出している「胡麻(ごま)麦茶」を1カ月ほど常用すると血圧が下がるとか。お茶はどうせ飲むのだから、早速これを実行することにした。

 が、普通の清涼飲料水よりもちょっと値が張る。1リットル入りのペットボトルで450円。これを3日で1本あけると月に10本、4500円の出費となる。

 その効能書きによると、ゴマに含まれているゴマペプチドがいいらしい。ラベルには「血圧が高めの方に」と書かれ、「厚生労働省許可特定保健食品」のマークもある。当分続けてみるつもりでおり、いま3本目に入ったところだ。

 飲食費の出費は飲食費でつぐなわなければならない。以来、外食をひかえるようにし、しても一品減らすことにしている。しかし、血圧の「高い方」ではなく「高めの方」という表現が気になるなあ......。

●9月11日 目の疲れがサインだった

 60を過ぎたころから目が疲れるようになった。いまにして思えば、白内障になりかかっていたのだろう。しかし、当時はそれに気付かず、老眼くらいと軽く考えていた。

 ここ1、2年は本当に疲れた。当初は目薬をさしていたが、それくらいでは治らない。そのため目を閉じて10分か15分、イスで眠るか横にならざるを得なくなった。

 何しろ目が命のショーバイである。パソコンを使う、本を読む、原稿を書く。四六時中、目のお世話になっている。

 昨日も午前中、原稿を書いては寝て、起きてはまた書いた。午後からは校正に追われ、夜遅くまで続いた。以前だったらこれくらいは当たり前で、目の疲れから休むようなことはなかった。

 左目が白内障になり、右目を酷使している。右目が遠視ぎみで左目が近視ぎみ。その左が悪くなり、近くが見えにくくなった。

 このごろは"元気だった"右目も視力が落ちてきている。左目のフォローで負担がかかっているのだろう。それを防ぐためにも手術をしてもらわなくてはならない。

 決断にはこんな背景があった。放っておけば共倒れになってしまう。早く左目を治し、以前の"遠近コンビ"を復活させたい。

●9月12日 目はどんどん悪くなる

 今日お会いした人の話によると、白内障を治す薬はなくても、進行を遅らせる薬があるそうだ。その人ではなく「知り合いが医者からもらって飲んでいる」とのこと。引き延ばすだけらしいが、そんな薬があるとは知らなかった。

 本の広告に白内障は手術なしで治せるとか、何とかを飲むと治るというようなものがある。一時は気にしていたこともあるが、所詮、子供だましみたいなものだと思い直し、手を出さなかった。ブルーベリーでさえ効果がなかったのに、そんないいものがあるとは考えられない。

 医者からもらう薬でも、治せるわけではない。その人の知人はご高齢だそうで、死ぬまで延ばせたら御の字だそうな。何だか生殺しにあっているような気がしないでもない。

 やっばり白内障は手術に限る。無駄なテーコーなどはせず、スパッとやってもらうことだ。目の前の曇りガラスをはずしてもらい、早くスカッと見えるようになりたい。

●9月13日 どうせ傾くなら右よりも左だ

 鏡を見るとき、床屋さんで頭を右に軽く直される。記念写真を撮るとき、カメラマンから少し右へ傾けるようにと注意される。ぼくの頭はやや左へ傾いている。

 しかし、自分ではまったく意識していない。傾いた普通の状態が真っ直ぐだと感じている。これが自然で楽なのだが、指摘されるところを見ると、やはりわずかに左傾しているのだろう。

 今日、車を運転していて、この謎が分かった。若いころから左目が近視気味だったから、普段の生活では右目に負担がかかってくる。右目は右にあってはならず、首を傾けさせることにより、体の中心部へ来るようにしていたのだ(オレは一つ目小僧か!?)。

 中学のころまでは左右とも正常だった。それが高校に入って"勉強をしすぎ"(ここが重要!)、気付くと左右がアンバランスになってしまっていた。左目が近視になったので右目が遠視になったのかどうかは分からないが、遠近を双方で分担するようにはなったものの、普段の生活の中では右目へ圧倒的に負担がかかっていたはずである。

 これで左傾する原因が分かった。右目は単独で遠くを見通すため、その位置を中心部に持ってきていたのだ。まあ、何事も右へ傾くよりは左へ傾いた方がいい。

●9月14日 最後の酒盛り、もう飲まない

 麻酔は酒飲みに効かない。麻酔医が「あれほど飲むなと言っておいたのに」と嘆いていたという話を聞くと、やっぱりそうだったのかと思えてくる。その一方で局部麻酔は酒と関係ないとも聞いたが、これとて確かなものではない。

 事実、歯のときは局部麻酔で気を失っている。30代のころ、親不知で後にも先にも生まれて初めて入院(5日間)したが、あのときはやめるように言われて守ったような気がする。おかげで気絶することもなく、よく効いてくれた。

 今日の休日を最後に酒はやめる。そう思うと名残惜しく、昼に飲んで寝、起きて飲み、夜にまた飲んでとなってしまった。いま酔っ払いながら書いているが、これを最後にもう飲まない。

 我慢するのは1週間くらいだ。いや、たったの5日間なのだ。麻酔が効かないことを思うと、恐ろしくて飲めない。

●9月15日 「こんなヘンな目、見たことがない」

 ぼくの左目には穴があいている。「穴があいている」と言ってもピンと来ないかもしれないが、虹彩にレーザー治療を受けたような小さな痕があるというのだ。そんな手術は「一度も受けたことはない」と否定すると大いに不思議がられ、「自然にこんなことが起きるのか、写真を1枚撮らせてもらってもいいですか」と言われた。

 昨年6月、突然、左目が真っ赤になり、慌てて駆け込んだときのことだ。先日(9月2日)診てもらった折、その写真をいただけないかとお願いすると、二つ返事でもらえた。昨年のブログでこのことは書いたが、いつも以上のアクセスがあり、中には「写真を掲載してほしい」というお医者さんからのメールまで来た。

 ついでに昨年書いたブログも掲載しておこう。これほど"個性的"な目なのだが、何か得になるものがあるわけではない。もっとも、どこかのテレビ局が"変な目"コンテストなどでも企画してくれれば、出場できるチャンスはあるかもしれないけど(「ナニコレ珍百景」ネタには地味すぎるよな)。

 これは手術に障害にならないだろうか。先生は何一つ言わずに写真を下さったのだから、別に問題はなかろう。そうなんです、ぼくはいつも"変な目"で世の中を見ているんです。

●昨年6月29日 人体の神秘、イヨッ! 人間国宝

 昨日、左目がウサギもびっくりするほど真っ赤になってしまった。目薬をさしても、1日おいても変わらない。思い当たる節がないだけにかえって不気味で、眼科へ重い足を運ぶことになった。

 検査の結果、血管が切れたための出血で、2、3日放っておけばよい、とのこと。その後、先生から「何でレーザーを受けましたか」と尋ねられた。最初はその意味が分からなかったが、確かめてみると「虹彩(黒目の外、茶褐色のところ)にレーザー治療の痕がある」というのだ。

 眼科にかかったのは子供のころ、トラコーマとものもらいを患ったときくらいだ。「そんなことは断じてない」と言うと、もう一度検査をされた。「そう言えば(手術痕とは)微妙に違う」とおっしゃる。

 そして、「こんな痕が自然にできるとは信じられない」「初めておめにかかったケース」、挙げ句に「写真を撮らせてもらってもいいか」。もちろん、しっかり撮ってもらった。

 その写真を見せてもらうと、虹彩の左側に太陽の黒点のようなものがポツンと写っている。「あなたの左目はこの穴と瞳孔の2カ所から光を受け入れているわけですよ」。レーザー治療の場合、その穴は上まぶたで隠れるようにするらしいが、こちらの穴は少し下の方にあって、いつも開放状態になっているというわけだ。

 先生もびっくりされたが、こちらもびっくりである。そんなことになっているとは、この世に生を受けて64年と29日、まったく思ってもいなかった。しかし、肉眼では分からない。先生、医学の発展につながれば、喜んで実験台になりますけど?!

●9月16日 不安解消、待ち遠しい手術

 今日、手術の説明と簡単な検査。20日当日は2人の患者があり、ぼくは後から受けることになるとか。手術は2、30分ですみそう。

 心配だった麻酔も心配なし。まず目薬で麻酔をし、次に注射による麻酔もある。もちろん、局部麻酔で意識もあり、会話もできるらしい。

 以前に歯医者で気絶したことがある。そのことを言うと「その後の麻酔で何事も起きていなければ、心配する必要はありません」。どうやら緊張のし過ぎだったらしい(大きくなってからも注射恐怖症だからね)。

 酒はやっぱりやめた方がいいとか。昨日、今日と2日間、まったく口にしなかったが、これだけで体が軽く感じられるし、充実した時間を過ごせたような気がする。酒を飲んでいると身に締まりがなく、すぐに寝たりするから時間も無駄になりがちだ。

 看護師さんとお医者さんからそれぞれ説明を受け、手術をしてもらう心の準備は出来上がった。いまは何の不安もない。早く料理してもらいたい。この日の料金1250円。

●9月17日 "手術"は今日から始まった

 昨日、2種類の目薬をもらった。一つは目を清潔に保つ「ベガモックス」という抗菌点眼剤、もう一つは瞳孔を広くする「ミドリン」という散瞳点眼剤。前者は今日から1日4回、後者は医者へ行く2時間前(ということは午前10時ごろ)から20分おきにさすことになっている。

 うっかりしていると、忘れてしまいそうだ。今日から始まった目薬で、もう手術モードに入ってきた感じ。朝・昼・夕方・就寝前に必ずささなくてはならない。

 手術を受けた翌日の午前9時に、経過を確かめる診察がある。このため、先生方も日曜日だが休めない。こちらも午前の9時に行くのは大変で、前夜は近くのホテルにでも泊まろうかと思っている。

 眼帯をしていては車にも乗れないし、第一、歩きにくい。お年寄りが「大事をとって入院した」という話はこういうことだったのか。こちらはノーテンキにも、眼帯をつけることすら頭の中になかった。

 日帰りとはいえ、やっぱり手術は手術。仕事をするのはあきらめて、安静にしているのに超したことはあるまい。手術後4、5日は洗顔や入浴も駄目だそうで、それなりの覚悟はいる。

 今夜は月1回開かれる異業種交流会「ウォータークラブ」の日。行くつもりでいたが、欠席することにした。会は「アルコールクラブ」の異名もあるほどで、とてもウーロン茶くらいでお茶をにごせそうにないからだ。

 

 

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