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■豊臣秀吉誕生地の謎・付清正

昭和6年にまとめた中村の貴重な記録

 名古屋の中村は秀吉の誕生地としてあまりにも有名である。が、現地に来た人は「あれっ?」と思ってしまう。並ぶようにして二カ所あるからだ。

 一カ所は「豊太閤御誕地」の標柱の建つ、その名も太閤山常泉寺。もう一つは「豊公誕生之地」碑や豊国神社のある中村公園。ともにゆかりの品々や記念物などがあり、訪れた人たちの関心を集めている。

 本書『郷土偉人研究』(名古屋市中村尋常高等小学校・昭和6年刊)はこうした疑問に答えてくれる貴重な本だ。初めの方で誕生地が二カ所できてしまった背景を史料や地元の伝承などから拾い、その経緯などを詳しく書き残してくれている。都市化したいまではそうした言い伝えなども薄れがちになってしまったが、当時の状況を知ることができるのも、地元の学校に席を置く先生方が郷土愛に燃えて精力的に集めておいてくださったおかげでもある。

 この小冊子は同書の地元中村に関する部分を抜き刷りしたものである。本の中では秀吉の事績を中心にまとめられているが、その中でも一番注目されるのが地元ならではの誕生地や出自などを考察したところである。ここではその部分を収録するとともに、彼のよき盟友であった加藤清正のものも納めておいた。

 冒頭で秀吉の誕生地は二カ所あると書いた。ところが、実はもう一カ所ある。前述の二カ所とは大きくかけ離れた、現在の町名で言うと1キロほど南にある中村中町の通称「弥助屋敷」と言われてきたところだ。

 『郷土偉人研究』はこちらの誕生地にも注目、史料を挙げながら同地での伝承なども拾っている。当時はそうした言い伝えも色濃く残されており、先生方はその一つ一つをしっかり聞き取っていたはずだ。しかし、本書に書かれているのはほんのわずかでしかない。

 あのような時代に異説を声高に唱えるのははばかられたのであろう。筆者(店主)は以前『見た聞いた考えた豊臣秀吉大研究』という本を出した。そのとき、本書や郷土史家をはじめ、ゆかりの寺社・地元にお住まいの方々にその多くを教えていただくことができた。第三の誕生地についても大いに興味を抱いたところである。

 いまでは秀吉の誕生地が三カ所できてしまっている。秀吉は果たしてどこで生まれていたのか。現地を散策しながら、自分の目で見極めてみるのも、楽しいではないか。

B5変形・74頁・1500円+税

 


 


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