古知野町はいま江南市の一部となっている。同市は昭和29年6月、古知野町・布袋町・宮田町の3町と草井村とで合併、成立した。古知野町は古くから尾北屈指の商業地で、また歴史に彩られたところでもある。 本書は旧古知野町の歩みを詳述した唯一のものだったが、いまとなっては滅多に入手できなくなっていた。章別で外観すれば、第一章・序説、第二章・地理編、第三章・町政編、第四章・教育編、第五章・産業編、第六章・兵事、第七章・交通運輸、第八章・警察と消防、第九章・衛生、第十章・社寺編、第十一章・人物伝記、第十二章・風俗編となっている。 合併に際しては古知野町と布袋町とが激しく対立したが、当時の桑原幹根愛知県知事の「江南市」案でまとまった。それには「蘇江(木曽川)の南に発展していく市」の意味が込められている。