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また、岡本一平は岡本かの子(歌人・仏教研究家・小説家)の夫であり、岡本太郎(現代美術家)の父でもあった。妻のかの子を小説家として世に出した一平の功績は大きく、かの子の才能を認め、つねに庇護者としてかの子を支えつづけた。子の太郎を戦前パリに留学させて勉強させたのは一平の財力、理解のおかげであった。 小説家の川端康成は親子三人がともに表現者であった岡本一家のことを「聖家族」と呼んでいたが、この家族を支え、「聖家族」たらしめたのは一平の資質、器の大きさであり、その財力のおかげであった。しかし、近頃では岡本太郎を知ってはいても岡本一平を知らず、岡本かの子を知ってはいても岡本一平を知らない人が多い。あるいは、マンガを読んではいても漫画家・岡本一平を知らない人が増えてきた。 ましてや敗戦の年、昭和20年(1945)3月に西白川村(現・岐阜県白川町)に家族とともに疎開してきた岡本一平を、昭和23年十月11日に古井町(現・岐阜県美濃加茂市)で死去したことを知る人は少ない。本書はその足跡を追ったものである。 (黒野こうき「はじめに」より) |
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