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副題に「ガンジスと死海のほとりで」とある。『体当り!ケチケチ世界大旅行』の著者坂本康馬(康司)氏がインドとパレスチナを旅した思索紀行。みずみずしい感性と鋭い洞察力によって、若者らしさあふれる優れた旅行記となっている。 「パレスチナの自然は、日本とはまさに対照的。ここを旅していると、生きるうえでごまかしのきかないところだな、という思いが次第に強くなる。人間がむき出しにされてゆく。ちょうど自然がむき出しにされているのと同じように。生活に追われるうちに、日本人が忘れてしまった〔生きる〕ということが、強烈に感じられる。 同様のことはインドでも言える。ただ、インドの神は人間の一人一人の心の奥まで、目を離そうとはしない砂漠の神とは違う。心の底まで見つめてくるのは、例えば、物乞いである。 ある日、チャイ(ミルク紅茶)を飲んでいると、一人の物乞いが黙ったままじっと見つめてきた。見つめるだけで、金をくれとも言わない。素知らぬ顔をしているが、刺すような視線を感じる」(書き出しより) |