親鸞の開教した浄土真宗は江戸時代の初めに東西に分かれた。その源流は信長と戦った石山合戦にあり、その後には秀吉や家康も深くかかわってくる。これについては先に『漂流、教如上人 石山合戦・関ヶ原の戦い、そして本願寺の東西分立へ』と題して一冊にまとめた。
本書は一転、地元名古屋へ目を向け、東別院の創立を中心に見ていくことになる。別院を視点にすると、これまで見えなかったものも、見えてくる。東別院の開設、とりわけ本堂の建設を語るのは尾張名古屋の歴史を知ることにも繋がってくる。